20231116
11月中旬。母と京都旅行に行った。
私は毎年訪れているが母にとっては約10年振りの京都。ワクワクさんが止まらないのだろう、母は亡き父の遺影と共に旅行をすると言い出した。
もちろんウェルカムだし、私も父と母と3人で一緒に旅行する気持ちで楽しもうと思った矢先、母が父の写真を御朱印帳に挟んでいるのを見つけて「おいおいそこは落とすからやめやい」「いや、父さんにご利益ありますようにと思って」「ないよ(あったら死んどらん)」なんて戯れていた。
そんな楽しい京都旅行。実は私も、一つの決意と共にあった。「ぬい活やりたい」である。
推し活のジャンルに”ぬい活”なるものがあると知ってから、私も推しのぬいぐるみと一緒に旅行したい!写真撮りたい!と一人画策していたのだ。
しかしいい大人である私は、どうしても母の前でぬい活をすることに抵抗があり、とりあえず、母がトイレに立った隙に老舗の豆腐屋で一枚、パシャリ。緊張のあまり肝心の豆腐すら写っていなかった。自分に愕然とする。
ちなみに今回連れていたのは、もちもちマスコットの相澤消太だ。界隈では略して”もち澤”と呼ばれているらしく、私もそう呼ぶことにする。(もち澤たんッ♡かわちいねぇ/// 上向けないのぉ?♡かわちいねぇ/// )
残念ながら、この豆腐屋以降、もち澤がバッグから出ることはなかった。……が、こういうのは一緒に旅行をしたという気持ちが大事なのであって、まぁ、写真はあってもなくてもいい。(ということにしておいた。自分のプライドのために)
2泊3日の旅を終えた、帰りの新幹線。母は唐突に聞いてきた。
「あんた、そのぬいぐるみは何なの?」
残念、バレていたか。私は咄嗟に返した。
「ああ、これは母さんが父さんの遺影持ち歩くのと一緒だよ」
すると母は「……へえ。小さいのにあなたも大変なのね」と言ってもち澤に手を伸ばし、やさしく撫でてみせた。心なしか、もち澤も喜んでいるように見える。
母の偉大さにより、もち澤が我が家で人権を得た瞬間である。(おめでとだねぇ/// もち澤たんッ♡ )